2016年7月26日、ピアニスト中村紘子が天国へ旅立った。世界を舞台に繰り広げられた華やかな演奏活動、まるで軽やかに音楽を奏でるかのように言葉を綴った文筆活動、その経験と感性を惜しみなく次世代に注いだ教育活動・・・この偉大な芸術家は、失うには早すぎる存在だった。
2016年12月11日、故人のリサイタルが予定されていたこの日に、中村紘子ゆかりの演奏家が集いメモリアル・コンサートが開催される。モーツァルト:ピアノ・ソナタ K. 310は、亡くなったその日、主を失った自宅のピアノにその譜面が残されていた楽曲。中心的なレパートリーであったショパン、ラフマニノフの名曲。そして、海野義雄(ヴァイオリン)、堤剛(チェロ)と組んでの名演が語り継がれるチャイコフスキー:ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出に」が、堤剛本人の出演も叶い演奏される。中村紘子が情熱を注いだ浜松国際ピアノアカデミーから羽ばたいた上原彩子・河村尚子、現在の日本の音楽界を確かな歩みで牽引する名手、横山幸雄・漆原啓子らによって、故人の思い出がつまった名曲の数々が鮮やかに奏でられるメモリアル・コンサート。中村紘子が遺したものに思いを馳せ、それを引き継ぐ演奏家たちの音色に音楽界の明るい未来を聴く。
2016年12月11日(日) 14:00 サントリーホール
<出演>
上原彩子 (ピアノ) / 横山幸雄 (ピアノ) / 河村尚子 (ピアノ)
漆原啓子 (ヴァイオリン) / 堤剛 (チェロ)
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