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西村悟のインタビュー 「テノール・リサイタルに向けて」

進化し続けるテノール、西村悟コンサートでは超一流の指揮者たちがこぞって共演を望み、オペラでは藤原歌劇団のトップ・テナーとして舞台に立つ。イタリアと日本を往復する生活が長かった西村悟が、10月11日(水)に東京オペラシティ コンサートホールでリサイタルを開く。プログラムは、イタリア・オペラを中心にしたこれまでの彼の集大成となる内容だ。

「何といっても名曲ぞろいのリサイタルです。オーケストラで単独リサイタルというのは日本ではなかなかありませんし、何といっても山田和樹さんが指揮をして下さるということで、僕たちの若い力の勢いというものを出したいと思っています。」

前半はベルカント・オペラからヴェルディまで。西村の澄んだ声と、ノーブルな歌唱が聴き所だ。

「まずはドニゼッティの『愛の妙薬』と『ランメルモールのルチア』。ベルカント・オペラは旋律の美しさと、言葉に対する音色を長く紡いでいくというイメージが大事なんです。」

「僕が今、歌っていて一番ピッタリくると感じているのがヴェルディの『椿姫』アルフレード役です。声と、観ている方の役柄へのイメージが合う、というのでしょうか。」


演奏は日本フィルハーモニー交響楽団、指揮の山田和樹は今もっとも注目されているマエストロである。「ヤマカズさんとは、2014年にアンサンブル金沢とスイス・ロマンド管弦楽団とのメンデルスゾーン『讃歌』でご一緒させて頂いて以来のご縁です。その後、彼が初めてオペラを振った仙台フィルの『椿姫』(演奏会形式)にも僕を指名して下さって。これからオペラを振りたいんだ、とおっしゃるので、じゃあ今がチャンスなんじゃないかなと。僕がこだわりを持って勉強してきたイタリア・オペラの歌唱と、彼がこれからやっていくオペラの音楽。お互いすごく刺激になると思います。」

リサイタルではフランス・オペラとロシア・オペラからも一曲ずつ歌われる。マスネ『ル・シッド』と、チャイコフスキー『エフゲニー・オネーギン』レンスキーのアリアだ。そして後半は、イタリア・オペラの華、プッチーニの『ラ・ボエーム』と『トスカ』。テノールならではの情熱的なアリアでは、オペラの舞台を彷彿とさせる歌が期待出来そうだ。

「演じていて一番楽しいのが『ラ・ボエーム』ですね。『トスカ』はよりドラマチックです。」

西村は今年、ワーグナー『ラインの黄金』ローゲ役を歌い、その演唱を絶賛された。

「もともとはイタリア・オペラとフランス・オペラしか歌わない、と思っていたほどイタリアの声にこだわりがあったんです。それが変わったのはある機会にマーラーの『大地の歌』を歌った時からです。自分の声で、イタリアの声で歌えばいいんだ、と思って演奏会に臨んだら、それなりの評価を得られて。それからはレパートリーを拡げられるようになりました。」

リサイタルは進化し続けるテノール、西村悟の今を聴く貴重な機会となりそうである。

文:井内美香
写真:Naoko Nagasawa
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美しい時代へ 東急グループ 五島記念文化賞オペラ新人賞研修記念
西村悟テノール・リサイタル with 山田和樹指揮 日本フィルハーモニー交響楽団
2017年10月11日(水) 19:00開演 東京オペラシティ コンサートホール
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