2019/10/10

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日本公演直前!クリスチャン・ツィメルマン室内楽プロジェクト 10月1日 ミラノ公演のレポート

日本公演直前!クリスチャン・ツィメルマン室内楽プロジェクト
イタリアの音楽ジャーナリスト、堂満直樹氏による10月1日ミラノ公演のレポートです。ぜひご覧下さい。「音楽とは“時間”であり“音”ではない」というインタビュー記事の一節をふと思い出した。
3人の弦楽奏者を前にピアノに向かい今ここで演奏しているツィメルマンの言葉である。

室内楽曲のみで構成されたコンサートは、日本ツアーに先駆けてイタリアで行われているが、ミラノでそれを聴く機会に恵まれた。ポーランド祝祭管弦楽団のコンサートマスターとしてマエストロとの見事な疎通を図り、ショパンという祖国の旗を掲げて世界中に感動を与えたヴァイオリンのマリシャ・ノヴァクの存在がここにも生きている。<写真:【岡本侑也 公式Twitter】 https://twitter.com/yuya_vc より>

ブラームスとマーラーのピアノ四重奏曲が一般的なイタリアでのコンサートで取り上げられることは稀なこと。いや、何もイタリアだけと限定されたことではないのかもしれない。それは作曲家晩年の成熟を考えた場合いまだ途上にある、つまり構築度の低い作品と判断されてのことではないだろうか。

たとえばこのブラームスの3番など他に比べると後年に手を加えられた作品でありながら着想は作曲家の若い時分にある。青年期の拘りや苦悩が凝縮されているのである。しかし市場の求めているのはなにも青く歪な造形ではなく熟練さ、そして知名度であることにも納得できる。ツィメルマンの紡ぐ音楽にそのような尺度は必要ない。桁違いの洞察力と探求心が聴衆にいまだ見たことのない世界を垣間見せてくれる。しかもいかにも自然なかたちで。

信頼を寄せるノヴァクに自由なリズムと音色を与えて自らのピアノとの間に絶妙な距離をつくり、ヴィオラのカタジナ・ブゥドニクには骨太で色の濃い内声を、そしてメンバー中より若い岡本侑也のチェロにはツィメルマン自身、二度と戻ることのない若さを求めているような気がしてならない。<写真:【岡本侑也 公式Twitter】 https://twitter.com/yuya_vc より>

「音楽を描きだす上で何より大切なのは最初に感じたインスピレーションであり、作曲家が創作する過程でその傍らに抱いた感情をどのように聴衆に伝えるか」が優先されると語っている。まさに伝道師の言葉である。

堂満尚樹(音楽ジャーナリスト)

「音楽のスケールの大きさ、豊かさなどに対する概念がまた覆された貴重な体験」
日本公演に先駆けてツィメルマンとイタリアで共演をしたチェロ奏者、岡本侑也。
イタリア公演後の岡本侑也のインタビューをぜひご覧下さい。
インタビューページはこちらから

クリスチャン・ツィメルマンのアーティストページはこちらから
https://www.japanarts.co.jp/artist/KrystianZIMERMAN

岡本侑也のアーティストページはこちらから
https://www.japanarts.co.jp/artist/YuyaOKAMOTO

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[ポーランド芸術祭2019 in Japan] 参加公演
巨匠ツィメルマンが満を持してお贈りする室内楽プロジェクト
クリスチャン・ツィメルマン ブラームスを弾く

2019年10月17日(木) 19:00 サントリーホール
詳細はこちらから<東京公演以外の日程>
・10月12日(土) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
(問)芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255
・10月14日(月・祝) ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ
(問)ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ 084-928-1810

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