予定される主なキャスト |
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アレクセイ・マルコフ(10/15) (オネーギン) Alexey Markov |
ロマン・ブルデンコ(10/16) (オネーギン) Roman Burdenko |
マリア・バヤンキナ(10/15) (タチヤーナ) Maria Bayankina |
エカテリーナ・ゴンチャロワ(10/16) (タチヤーナ) Ekaterina Goncharova |
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エフゲニー・アフメドフ(10/15) (レンスキー) Evgeny Akhmedov |
ディミトリー・コルチャック(10/16) (レンスキー) Dmitry Korchak |
エカテリーナ・セルゲイエワ(10/15) (オルガ) Ekaterina Sergeyeva |
ユリア・マトーチュキナ(10/16) (オルガ) Yulia Matochkina |
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ミハイル・ペトレンコ(10/15) (グレーミン公爵) Mikhail Petrenko |
エドワルド・ツァンガ(10/16) (グレーミン公爵) Edward Tsanga |
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※キャストは変更になる場合がございます。最終的な出演者は当日発表となります。 |
ゲルギエフも胸を張る、「これが、理想の《オネーギン》だ!」 |
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幕が上がると、春らんまんの田園風景。一面に転がるリンゴ(何と、5000個とか!)の中を、村娘や若者が駆け回る。正に“人生の春”を象徴するようなこのシーンから、ステパニュク新演出の《エフゲニー・オネーギン》は始まる。 ロシアの国民的詩人プーシキンが同名の小説を発表した1832年から、主人公オネーギンやタチヤーナやレンスキーはロシア人の永遠の若者像になり、韻を踏んだその文章を、おとなも子供も愛唱した。優しい心のチャイコフスキーは、若者たちの純真さに深く共感し、精魂傾けてオペラにした。そのオペラが世に出た1878年からは、全世界のオペラ・ファンを魅了して止まない。 このオペラの何が万人の胸を打つのか? 誰もが涙してきた青春の儚さか?初恋の切なさか?失恋の絶望か?それらをこの上なく美しく歌い上げるチャイコフスキーの音楽か? 主人公たちは皆若い。10代後半から、せいぜい20代の半ばだ。故にチャイコフスキーは、初演の主役陣にモスクワ音楽院の学生を望んだ。 |
作曲者が熱望したその通りの舞台が、今回、日本で実現する。それが出来るのは、マリインスキー・アカデミーに在籍中もしくは出身の若手スターを数多く抱える、マリインスキー・オペラだけだ。ゲルギエフ自身「これは《オネーギン》の理想的なプロダクションだ!」と胸を張る。舞台には若いエネルギーが充満し、それがオーケストラに乗り移り、それを上回るエネルギーでゲルギエフが統率する。 舞台美術も真のロシアを再現して素晴らしい。とりわけ第3幕、ネヴァ川を臨む宮殿の舞踏会シーンでは、その幻想美に客席から拍手が湧き起こる。ロシア・オペラを初めて観る方も、様々な《オネーギン》を観て来た方も、大満足すること間違いなし。何しろ、毎シーズン幾通りもの《オネーギン》が舞台に掛かるロシアで、「これだけはいつも満員」というのだから。 ひのまどか(音楽作家) |
≪あらすじ聴きどころ≫ | |
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第1幕 ロシアの農村。 ラーリン家の姉妹、タチヤーナは物静かで空想好きな読書家、妹オルガは陽気な社交家。オルガの恋人で純情な詩人レンスキーは新しい隣人オネーギンとラーリン家を訪れる。オネーギンは帝都ペテルブルクでの放蕩の末、すべてに飽いて、この農村にきた。愛を語るレンスキー(アリオーソ<君を愛す。オルガ>)。タチヤーナはオネーギンに一目惚れする。その夜、タチヤーナは手紙で愛を告白することを決心する(手紙の場)。オネーギンは丁寧だが、説教じみた調子で断り(アリア<もしこの世に家庭の幸せを求めるなら>)、タチヤーナは絶望する。 |
第2幕 タチヤーナの命名を祝うパーティー。オネーギンは面白半分にオルガと踊り、レンスキーをからかい、怒らせる。二人は決闘を誓う。未練を吐露するレンスキー(アリア<わが青春の輝ける日々よ>)。オネーギンはレンスキーを撃ち殺す。 第3幕 ペテルブルクの貴族の夜会(ポロネーズ)。悔恨で長く海外を放浪したオネーギンが戻る。主人グレーミンが妻(タチヤーナ)を紹介する(アリア<恋は年齢を問わぬもの>)。オネーギンは美しく洗練されたその姿に驚き、焦がれる。タチヤーナに迫るオネーギン。迷いながらもタチヤーナは拒絶する… |